立ち読みコーナー
目次
258ページ
騎士王の気高き溺愛花嫁    7
あとがき           248
75ページ~
「ミカ、ミカ、私の妻……。この日を待っていた。はじめて会ったときからずっと……」
 耳元に熱っぽい言葉を囁かれ、ミカは「私も」と言いたくなった。けれど緊張のあまり喉がカラカラに渇いていて声が出ない。掠れた吐息しか唇から吐き出せなかった。
 アルベルトの唇が首に押し当てられる。じん、とそこが熱くなった。唇は頬に移り、またくちづけてきた。こんどは舌が唇を割り、歯列をこじ開けて口腔に入ってくる。驚いてアルベルトの舌を追い出そうとしたら搦め捕られ、ぬるぬると擦り合うような動きになってしまった。その異様な感触は、すぐに心地いい感覚になり、ミカは自覚がないままにこれが好きになった。
 アルベルトが唇を離そうとすると追いかけて両腕で頭を抱き込む。夢中になって舌を絡めているミカに、アルベルトが目を丸くしながらも苦笑して離れないでいてくれることにも気づかなかった。
 くちづけたままでアルベルトがミカのローブをはだける。膨らみのない胸に、アルベルトが両手を滑らせた。剣を振るう手だ。皮膚が分厚く、固くなっている。強く擦られたらそれだけで痛くなりそうだったが、アルベルトはものすごく優しく触れてくれた。
 胸の突起を指先が転がす。むずむずするくらいのなんでもない感覚が、しだいにむらむらするあやしい衝動へと変化していった。無意識のうちに首をのけ反らせたら、深くまさぐり合っていた唇が離れた。
「あ……」
 口のまわりが、二人の唾液でびしょ濡れになっている。舌で唇をぐるりと舐め、口腔に溜まっていた唾液もろともごくんと飲んだ。カラカラに渇いていた喉が、いくぶん潤う。
「ミカ……」
 それを見ていたアルベルトの瞳が、熱っぽく光る。ふたたび顔を伏せてきたアルベルトは、こんどはミカの胸にくちづけてきた。
「あっ」
 突起をちゅっと吸われて鋭いなにかが体を貫く。何度もちゅうちゅうと吸われ、そのたびに体を捩ってしまうほどのなにかが生まれた。それが快感なのだと気づいたのは、いつのまにかミカの股間が猛っていたからだ。
「ミカ、感じてくれたのか」
 声を震わせて感動したようにアルベルトがそれに触れてきた。髪とおなじ金色の陰毛に覆われた性器は、アルベルトの手の中にすっぽりと入ってしまうくらいのサイズだ。見られたうえに握られてしまい、ミカは羞恥のあまり泣きそうになり、逃げ出したくなった。
 しかしピニの言葉が脳裏によみがえる。拒んではいけない。もうこの人の妻になったのだ。しかも理不尽なことをされているわけではない。ぎゅっと目を閉じて、四肢から力を抜く。
 アルベルトはミカの性器を加減しながらゆるゆると扱き、胸へのくちづけを続けた。胸と股間は繋がっているのか、両方を同時に弄られるとわけがわからなくなってくる。演技など必要ないくらいにミカは喘いでしまっていた。勝手に両足が開き、そのあいだにアルベルトが腰を入れてきたことにすら気づかない。
「ミカ、香油を使うぞ」
 アルベルトが親切にも予告してくれたのに、自分の快感でいっぱいいっぱいのミカは、意味がよく理解できなかった。だから枕の下から小瓶が取り出され、とろりとした液体が股間に垂らされたときはギョッとした。
 ふわっと甘い香りが寝台に広がる。アルベルトが両手を使って、香油をミカの股間全体にぬるぬると広げた。はじめての感触が気持ち悪い。こんなにぬるぬるにしないといけないのか、と抗議したくなったが、本人の意志に反してミカの性器は勃起したまま香油でいやらしく光っていた。
 アルベルトの指が尻の谷間に滑り込んできた。そこにも香油を広げようとする。ミカは恥ずかしくてたまらなかった。男の自分はそこでしかアルベルトと体を繋げられないと知っていても、恥ずかしいものは恥ずかしい。
 こんな恥ずかしいこと、アルベルト以外とは絶対にできないと確信した。
「指を、まず一本だけ入れるぞ」
 いちいち言わなくていい、この唐変木!とわめきたかったが、口を開けば喘ぎ声になってしまう。ぬるりと後ろに挿入された指は滑るように出し入れされた。痛みはない。指が二本に増やされても違和感だけだった。この分ならアルベルトと体を繋げても激痛に悶絶するほどではなさそうだ、とホッとしたとき、暑くなったのかアルベルトが自分のローブを脱いだ。
(えっ?)
 筋骨隆々とした肉体が晒される。その股間にそそり立つものを目の当たりにして、ミカは青ざめた。幼児の腕ほどもある黒光りする性器に、絶望しかない。そんな凶器を入れたら、繊細な器官は傷つくに決まっている。やっぱり男同士の子作りは痛い行為なのだ。いくら香油の助けがあっても無理だろう。
 しかしあれを受け入れなければ子作りはできないわけで─。
(死ぬ気で我慢するしかない……)
 悲壮な決意とともに深呼吸した。落ち着け、と自分に言い聞かせる。たとえケガをしてもアルベルトは医師を呼んで治療してくれるだろう。
「ミカ、指を三本にするから」
 さらに指が増やされた。遠慮がちに抜き差しをしていたアルベルトだが、あきらかにそこを広げるような動きに変わった。指がばらばらに粘膜を刺激してくる。なんだか変な感じがして、ミカが眉をひそめたときだった。
「ひあっ!」
 ずくん、といままでにない刺激を感じて、ミカは狼狽えた。挿入されている指がなにかをしたのだ。思わず変な声が出てしまった。
「ここか?」
 アルベルトが呟きながら、慎重に指を動かす。そこに指が当たった瞬間、「あんっ」とまた鼻にかかった声が出た。どうしてこんな甘ったるい声が出てしまうのか。もう出したくない。そんなところを弄られて気持ちいいなんて間違っている。
 花嫁教育で、確かにそこにも性感帯があると教えられてはいたが、嫁ぐのを躊躇わないようにするための嘘だと考えていた。
 ミカは両手で口を覆った。それなのに、アルベルトの指が台無しにする。
三本の指がミカのそこを広げながら感じるところをしつこく擦った。
「あっ、あんっ、やだ、ああんっ、あっ」
 声が止まらない。尻がびくびくと震えてしまう。香油が足されてもっとぬるぬるのぐちゃぐちゃにされ、気持ちよくてたまらない。いったん萎えかけていたミカの性器は反り返るほどに猛って、先端から露を垂らしていた。
「ミカ、気持ちいいのか?よかった」
 アルベルトがなにか言っているがよく聞き取れない。
「もう、いいか?」
 ミカが知らないあいだに指は四本まで増やされていたようだが、痛みはなかった。そこが柔らかく解れるまで、アルベルトがかなりの時間を割いたからだ。勃起したまま我慢に我慢を重ねたアルベルトは、全身を汗でびっしょりと濡らしていた。
「そろそろ、俺も限界だ」