立ち読みコーナー
目次
290ページ
同居人は猫かぶり?~(元)ヤクザは好きな人に愛されたい~   7
あとがき                           282
129ページ~
 秋山は目隠しをした一真の身体を、丁寧に誘導してこたつ敷きの上に押し倒してきた。それから、首筋に顔を寄せてくる。
「っ……」
 軽く舐められただけで、ビックリするほどその刺激が響いた。
 視覚が封じられているからどこを刺激されるのか予測ができず、全身がとても過敏になっている。秋山の舌のぬめぬめとした感触を感じ取るだけで、肌がピリリと帯電した。
 秋山は男を相手にするのは初めてのようだが、セックスは初めてではないのだろう。唇が首筋から鎖骨をなぞり、胸元まで落ちていく。
 触れられるにつけ、乳首が硬く凝ってムズムズしてきた。そこにいつ触れられるのかまるでわからないだけに、ことさら感覚が研ぎ澄まされる。
 唇が触れるよりも先にいきなり乳首をつまみあげられ、大きく上体が跳ね上がった。身構える余裕もなかった。
「ッン……っ」
「ここ、好き?」
 秋山の声が聞こえた。反射的に首を振ったが、乳首をつままれてくにくにと指の間で弄ばれると、そこから広がる感覚の強さにまともに声が発せられなくなる。
 そのとき反対側の乳首に唇が落ち、その小さな部分を舌先でぬめぬめと舐め転がされた。
「っぁ、……っんぁ、……あ、あ、あ……っ」
 指と舌でのそれぞれ違う刺激を、いやというほど送りこまれる。
 あまり派手な反応は恥ずかしいからしたくないのに、目を塞がれることで刺激が増幅されていた。乳首をつままれ、舌を蠢かされるたびにどうしても声が漏れてしまう。
 そんな一真の反応に気をよくしたのか、秋山はその小さな部分に吸いつき、ちゅっ、ちゅっと細かく吸いあげた。その合間に指で淫らに転がされるから、耐えきれないほどのぞくぞくとしたうねりが下肢に満ちる。
「んぁ、……あ……っ」
 いつの間にか漏らしていた声が、自分のものとは思えないほど甘く響いた。男のあえぎ声なんて気持ち悪く思われるかもしれないから、極力セーブしようとしているのに、どうしても抑えきれない。
「っんぁ、……そこ、……ダメ、……触れ……んな……っ」
「だけど、すっごくコリコリしてるぜ。……気持ちよくない?」
「るせ」
「男でも、こんなにも乳首で感じるんだ?」
 感心したようにつぶやかれたが、一真も乳首でここまで感じたのは初めてだ。
 指と舌で、乳首を引っかくような繊細な刺激を送りこまれると、腰がガクガクと震えてくる。一真はもがくように首を振った。
 この過剰なほどの快感に、困惑していた。
 早く胸元から引き剥がしたいのに、身体から力が完全に抜けていた。されるがままでいることしかできない。
「は……っ」
 吐き出す息がひどく熱かった。
 目隠しされているから、どうしても感覚が小さな乳首の凝りに集中していく。
「っん、……、あ……っ」
 さらにじゅっと吸われると、胸元を反り返らせてしまう。
 舌を乳首に押しつけながら動かされると、硬くなったペニスが痛いぐらいに張り詰めていく。腰がもぞもぞしてならない。
「んぁっ、……も、……よせ……っ」
 あえぎながら言ったのに、秋山は唾液ごと吸いあげてから、舌を押しつけて尋ねてきた。
「力加減は、これくらいでいい?もっと強いほうが好き?」
 すでに感じすぎていたから、もう十分だ、と伝えたい。だが、秋山はこんな感じとでも言いたげに、乳首に歯を立ててきた。
「ン」
チリッと一瞬の痛みがあったが、それはすぐに今までを遙かに上回る快感に変化した。その一瞬の痛みの後では、乳首で受け止める感度が一段上がった気がする。
 だからこそ、身体が同じ刺激を求めてしまう。
 何も考えられずにあえいでかすかに胸をのけ反らせたのを、秋山はおねだりだと理解したらしい。さらに乳首をチリッと噛まれて、その痛み混じりの快感が電撃のように下肢までつき抜けた。
「っんぁ、……っあ……っ」
 だが、その声に混じっていた気持ちよさを、秋山は見抜いたらしい。
「気持ちいい?」
「……ン」
「小さいから、加減が難しいな」
 そんなふうにつぶやきながらも、秋山も限界まで硬くなった乳首の感触が楽しいのか、唇で弄ぶように弾いたり、唇と指の位置を左右入れ替えたりして、敏感なところをいじり続けてくる。
 もはや乳首は神経の塊のようになっていた。歯を立てられるたびに、ビクンと上体がのけ反る。
 その合間に柔らかく乳首を舐められると、とにかく気持ちがよくてどうしたらいいのかわからなくなってきた。下肢が服の中で、痛いほど張り詰めて、ジンジンしてくる。
「っん、……っぁ、あ…………んぁ、……っ」
「すごく、気持ちよさそうだな。普段のおまえは、乳首で感じるはずないって顔をしてるくせに、……こんなになって」
「どんな……だよ……」
 言い返してやったが、きつく尖った乳首をピンと指で弾かれると、その刺激にあえぐしかない。反対側の乳首に吸いつかれると、余計な言葉など発せられないぐらいに、ただ舌の刺激を受け止める存在になっていた。
 ちゅくちゅくと舐められるたびに、どうしようもなく腰に響く。
 乳首だけでイきそうになっているという自覚があった。さすがに、前戯だけでここまで追い詰められたのは初めてだ。
 ─どう……しよ。……ヤバ……い……。
 必死で感じるのをセーブしようとしても、もはやそれすらできない。
「っん、……っあ……っんぁ……」
 左側をねっとりと舐められながら、反対側は指先で引っ張るようにしてこね回される。
 さらにきゅっとひねるようにされると、イきそうなのにイケないといった快感が継続していた。
 乳首を執拗に刺激され続け、もうこれ以上は耐えられないと思った瞬間、強く乳首をひねられた。そのまま引っ張られて、苦痛混じりの快感に、一気に下肢で快感が弾けた。
「っんぁ……っ! ……あっ、……あ、……あ、あ……あ……っ」
 ガクガクと身体が震え、腰が跳ねあがる。
 だが、強い快感がゆっくりと引いていくのに合わせて、乳首だけでイッてしまったという恥ずかしさにいたたまれなくなる。
 視界をネクタイに奪われていたからこそ、我を忘れてしまったのだが、自分はどんな姿を秋山に晒していたのだろうか。
 慌てて顔に手を伸ばして、ネクタイを引き下ろした。その途端、秋山と目が合った。
 どんな顔をしたらいいのかわからなくて、ただ呆然と見返すだけだったが、秋山は照れくさそうな顔をして、微笑みかけてきた。
「このまま、続けてもいい?」