立ち読みコーナー
目次
242ページ
運命のもふもふ ~白虎王は花嫁を幸せにしたい~  7
あとがき                     237
46ページ~
「……綺麗だ、静奈……長いこと、待っていた甲斐があった。ずっと俺は、お前のことが欲しかった」
「な……あ、あっ、そこ、そんな……っ」
 綺麗だなどと、言われたこともなければ生涯言われることがないはずの言葉を口にされ、静奈はひどい羞恥と怒りを覚えていた。
 ─こんな、じゃらじゃらとアクセサリーなんかつけやがって。俺をなんだと思ってる。こんな、好き勝手なことをして、人の身体を弄んで……。
 そう頭の中では思うのだが、ああん、いやぁ、という甘えた舌足らずの声が出てしまうのを、静奈は抑えることができない。
「も、離せ……離せ、いやだ、っあ」
 悔し涙をにじませてなんとかそれだけ言うと、ふ、と自身から手が離れた。
「静奈。そんなに拒まないでくれ、悲しくなる」
 涙を優しく指先が拭ったが、静奈の呼吸はそれで落ち着くどころか、ますます荒くなっていく。
 限界まで硬く反り返った自身は急に放置され、あとわずかで訪れるはずだった快感の放出を求めて、ひくひくと震えた。
「あ……あっ、う」
 口では拒んでも、身体は激しくラドの愛撫を求め、静奈は朦朧となってきていた。
 それにどういうわけか、理屈では拒絶と怒りで頭がいっぱいのはずなのに、密着した肌からは、なぜか懐かしいような、切ないような感覚が伝わってくる。それは決して、嫌悪を感じるようなものではなかった。
 自分で慰めようとした手首を、ラドにそっとつかまれる。
「静奈。どうして欲しい。本当のことを言ってみろ」
「やめ……う、うう」
「こんなに震えて、可哀想に。もっと触れて欲しいんだろう?」
「ちがっ、違う、お、俺……は」
 そう言いながらも、我知らず静奈は自分で腰を揺らし始めてしまっていた。
 そのたびに、恥ずかしい雫が先端から零れ、足の間を濡らしてしまう。
 ─苦しい。苦しい。我慢、できない。
 はあはあと熱い吐息を漏らし、唾液で濡れ、わななく唇で、とうとう静奈は言う。
「し、して。いきた……いっ」
 と、器用な指が再び静奈のものに絡みつき、それと同時に。
「ひっ、う、ああ!」
 ぬうっ、と体内に、零れた体液のぬめりをまとって、ラドの指が入ってきた。
「やっ、いやっ、あああ!」
 思いがけない場所への刺激と異物感に、静奈は弓なりに背を反らす。
「あ……っ、そんなっ、とこ……駄目、やっ、やだあっ」
「……力を抜け、静奈。爪で怪我をさせたくない」
「っああ、あ……っ、はあっ、あ」
 長い中指の腹が、静奈の内壁を摺り上げる。同時にもう片方の手が、静奈のものを根本から追い上げた。
「お前の中は、とても熱いな静奈。それに、こんなに強く吸いついて、離そうとしない……」
「……ん、んう……っ、あ……」
 内部を探るように指で弄られ、自身を愛撫されるうちに、静奈はわけがわからなくなっていた。ラドの指先のわずかな動きで、身体がビクッと跳ね、喉からは嬌声が漏れる。
 もう、自分の身体は完全に、ラドの指に支配されてしまっているようだった。
 はあはあと呼吸は速くなり、今にも達しそうに静奈の腰が痙攣する。
「う、ううっ、や……っ!」
 けれど、ラドはまだ、静奈が達することを許してはくれなかった。きゅ、と指が根本を締めつけ、行き場を失った熱と快感が、静奈の中に逆流するように感じる。
「……っあ、くる、し……っ、い、いかせ、て、許し、て」
「わかった。だが、少し待て。今いってしまうと、後が辛い」
 そう言うラドの声は、ひどく優しい。
「んう……っ!」
 ゆっくりと指が引き抜かれる感覚に、静奈はきつく眉を寄せて耐えた。
 ラドは、昂って震えている静奈の両足を大きく開いて抱えると、その間に身体を入れてきた。
「はあっ、は……っ、んんっ」
 膝の後ろ、腰、どこに触れられても甘い快感が湧き上がり、本当に身体が溶けてしまうのではないかと静奈は思う。
 ─どうして。こんな見ず知らずのやつに、男に抱かれて、俺はこんなに……気持ちよくなってるんだ。
 下腹部は、自分の零したもので、どこもぬるぬるになっているのがわかる。
 朦朧として、ますますなにも考えられなくなっていく静奈は、興奮のまったく治まらない自身も呼吸もひどく熱く、汗がしっとりと身体を濡らしていることだけを感じ取っていた。そうして。
「─っあ、あああああ!た、助け……っ、あ、ああ!」
 指よりずっと固く太いものが押しあてられ、体内に挿入され始めた。
 静奈の視界は涙でぼやけていたし、頭はまともに回っていない。だから咄嗟に、なにが起きたのか理解できなかった。
 その大きさは、指でかなり丹念に愛撫されていたとはいえ、静奈に痛みをもたらした。
 けれどそれよりずっと激しい快感が、電流のように激しく静奈を貫き、甘い悲鳴を上げさせる。
「いっ、ああ……っ!やあっ、あ」
「静奈。いい。お前の中は、すごく、気持ちがいい。どうにかなってしまいそうだ」
「やあ……っ、あっ、あっ」
 ひいっ!と静奈の喉が鳴った。次いで、ガクガクと全身が激しく痙攣する。
 生まれて初めて男をくわえ込んだばかりだというのに、静奈はそれが与える刺激に、弾けてしまっていたのだ。
「あ……ああ……」
 身体になにが起こったのかわからず怯える静奈の頭に、そっとラドが触れてくる。
「怖いか、静奈。すまん。俺が先にいったほうが身体が楽だと思ったんだが、我慢できなかったか。……思っていたより、ずっとお前は敏感だったのだな。……しかしそれもまた、たまらなく可愛らしい」