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紳士な狼の愛の巣で 7
愛の巣のひめごと 247
あとがき 269
144ページ~
「……っ! 待っ……」
「待ってつらいのは、泉くんじゃないですか? こんなにしておいて」
言うなり、綾宥は泉自身を直に手に捕らえ、扱き始める。
「ん……っ、あ、ああ、あ」
性経験がないわけではない。ただし、乏しい。
そんな泉にとって、自身を他人に触れられるのは初めてのことで、自分とは違う手の感触に、泉は羞恥を煽られた。
「だめ、そこ……だめ……っ」
簡単にぐずぐずになった泉自身の先を、綾宥は指先で擦り始める。敏感すぎる部分で、自分でする時は滅多に触れない場所なのに綾宥は容赦がない。
「どうして? 気持ちがいいでしょう? こんなにいっぱい、漏らしてますよ」
先端から溢れる蜜でぬるぬるになった指を、さらに遊ばせる。
「あぁっ、あ……っ、だめ、そこ、本当に弱いから……」
「じゃあ、他の弱いところを探しましょうか?」
綾宥はそう言うと先端をいじるのはやめて、濡れた指を下へと伸ばした。そして根元にある果実を捕らえ、それを揉み込み始めた。
「ん……っ、あ、あ…っ、あ!」
自身に触れられている時とは違う柔らかな快感が湧き起こってくる。それはそれで気持ちがよかったが、とろ火であぶられるような快感でしかなくて、そのうち焦れったく思えてきた。
「……っ…あ、…ぁ……、あっ」
無意識に、自身へと手が伸びる。
「自分で、して見せてくれるんですか?」
からかうような声で綾宥に言われ、泉ははっとした。
「ち…が……っ…、し、しない!」
慌てて手を引っ込める。
「じゃあ、私がしてあげましょうね。でも、そろそろ私も限界なので、一緒にさせてもらいますけれど」
綾宥は言うと、泉から手を離した。そして手が泉の漏らしたもので濡れているのも気にせず、自分の穿いているスラックスの前をはだけて下着ごと押し下げる。
そこに現れた綾宥のそれに、泉は息を呑む。
落ち着いた声で、余裕さえ感じさせるような様子だったのに、それは完全に屹立していて、しかも大きかった。
「どうしたんですか? そんなにじっと見て。珍しいものでもないでしょう?」
同じものがついてるんですから、とでも言いたげな綾宥に、
「……大き…すぎ、ない……?」
泉はとぎれとぎれに聞いた。しかし綾宥は、
「泉くんとは体格差もありますし」
と、涼しい顔だ。
実際、体格差はかなりある。
が、それで片づけていい差とは到底思えなかった。
しかし、凝視していると、
「そんなに気になるなら、触ってみますか?」
などととんでもない提案をされて、泉は慌てて視線を逸らした。
その様子に綾宥は笑うと、自分のそれと泉自身を重ねて一度に握り込んだ。
「あ……」
「泉くんはそのまま、じっとしてくれていればいいですから」
そう言うと、綾宥はゆっくりと腰を使いだした。