立ち読みコーナー
目次
258ページ
この世の果てまでも     7
あとがき          254
(僕の身体は、もう…——)
 認めよう、そこに他人のそれを受け入れることに馴れきっている。
 もはや普通の男ではない。普通には戻れない。もう二度と女性と関係することはないだろうと思う。
 自ら子孫を残さない存在に下った者は、一体誰に懺悔すべきなのだろう。先祖か、産みの母か。それとも……? 
(宇宙からすれば小さなことだと見逃されるのかも…しれない、か)
 指に内部を深々と抉られ、前がゆらりと勃ち上がった。
 自分のそれは無視して、俊彦は翔馬のそれに手を伸ばした。
 翔馬がとっくに硬く熱くなっていたのは、身体に当たる感じでわかっていた。ただ自分から触れる勇気がなかっただけだ。
 触れ、しゃぶれと命令され、それに従う形でなら触れたことはあっても、感じさせてあげたいと思って握り締めるのはこれが初めてだった。
「!」
 翔馬にとっても驚くべきことだったのか、彼は飛び上がりかけた。
 構わず、俊彦はその反り返ったものに指を絡めた。二度、三度…と擦り上げただけで、尿道口から液体が滲み出した。
 それに励まされるように、俊彦は上下運動を繰り返した。
 翔馬の腹筋が緊張する。
「手を、は…離してっ」
 切迫した声。
「も…もう、達きそうだよ。こんな早いの、ないんだけど……でも、なんだか我慢できないんだ。だから……あ、あぁ、んっ、ん…——」
 温い飛沫が二人の身体の間に上がった。
 勢い余って、俊彦の顎にまで届いた。
 その粘った白い液体を指で掬ったとき、俊彦は思い出していた——幼かった翔馬との行為では自分がリードするしかなかったのだ、と。
 翔馬のそれは剥けかけていたが、最後まで引き下ろしてやったのは俊彦だった。少し痛かったと目に涙を浮かべた翔馬が可愛くて、可愛くて……。
 今までどうして忘れていられたのだろう。
 兄を自殺するほどの修羅場に一人立たせ、美少年とベッドで楽しんでいた罪悪感か。嫌悪していた同性愛に近づいてしまったことへの恐れだったか。
 若い翔馬は射精を終えても萎えなかった。
「せんせ、いい?」
 許可も待たずに、俊彦を仰向けに押し倒す。
「ね、いいよね?」
 耳たぶを噛みながらの囁き。
 俊彦は頷いた。
 自分から足を大きく広げ、そこに膝立ちする翔馬を見つめる。
「……きみは可愛い男の子だったのに、すごく成長したよね」
「十年だよ?」
「それに比べれば、僕はあまり変わってないのかな」
「オレは早く大人になりたかったよ。俊彦せんせぃと肩を並べて歩けるように……思いがけなく、せんせいより大きくなったけどね」
 翔馬は腰が浮くほど俊彦を折り曲げ、そこに熱いものを押し当ててきた。
 入ってくる、入ってくる…——。
「あぁ…ごめんね、翔くん」
 身体の中に翔馬の脈動を感じる。
「もう謝らないで」
 翔馬が囁いた。