立ち読みコーナー
目次
274ページ
煉獄の黒薔薇        7
あとがき          272
95ページ〜
「この期に及んで逃げられると思ったか。せいぜい、おまえの愛する神にでも祈っておけ」
 性急に足を抱え上げ、猛った己を後孔に宛がう。
「あ、や……や、っ……あああっ」
 身悶える身体を押さえつけると、そのまま一気に楔を押しこんだ。
「……、っ」
 引き攣れるような痛みがあったのは一瞬のことで、奥に残っていた残滓のぬめりを借りて抽挿はすぐにスムーズになる。自分が抱いているにも拘わらず、ここにいない下劣な輩とふたりでルカを犯しているような気分になり、ガルバスはそれをふり切りたい一心で最奥に雄を突き立てた。
「啼け。いい声で俺を煽ってみろ」
 ぐちゅぐちゅと音をさせながら精液を掻き出し、自らを覚えさせるように腰を進める。
「やっ……あ、…、あっ……」
 ルカは髪をふり乱して悶えた。
 長大なものをこれでもかとねじこみ、内胴の限界まで深く深く己を刻む。けれどどんなに欲を煽っても、肉体の快楽を引き出しても、ルカは堕ちてはこなかった。
「……オル…、ン……様…………」
「……!」
 その一言にガルバスは目を瞠る。自分に抱かれながら司祭と混同しているのかと思うと、怒りのあまり鳥肌が立った。
 肉体は淫らに快楽を貪りながらも、本能で自分を拒むルカ。それさえも限界に達すれば、自分を抱いているのは司祭なのだと防衛本能を働かせる。享楽に溺れさせればさせるほど、あの男への依存を強めてゆくのだと思うとたまらなかった。
「ここまで虚仮にしてくれるとはな……」
 苛立ちにぶるりと武者震いが走る。それさえもいいところを擦ったらしく、細い嬌声を上げるルカを見下ろしながら、ガルバスは嗜虐を味わうようにゆっくりと唇を舐めた。
「魂に刻みこんでやろう。おまえが誰に犯されているのかを」
 低い声で宣言するなり、激しいリズムで突き上げを再開する。内胴を食い破るほどの勢いにルカは頭をふり立て喘いだ。
「……っ、……、………」
 かたく反り返ったルカ自身も扱き上げ、有無を言わさず連れていく。このヒリヒリとした衝動ごと刻みつけてしまいたい思いで最奥に飛沫を叩きつけた。
「覚えておけ」
 ずるりと楔を抜きながら告げる。
「おまえのすべてを、造り替えてやる――」