立ち読みコーナー
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 周囲に視線を巡らせていた佑紀に、竜傑は囁きかけてきた。
「処女を失う前の記念だ。皆さんにしっかり見てもらえ」
「ふざけるな!」
 竜傑の言葉に、佑紀は色をなす。誰が処女だ。佑紀は男だ。
 しかし、客たちはどっと笑いだした。
「まだ処女なのか」
「大人は随分この子猫を甘やかしていたようだな」
「ええ、このとおり可愛らしいですから」
 竜傑は涼しい口調で答えた。
「しかし甘やかしすぎたせいで、楽しいパーティを中断させてしまいました。お詫びに、これへの仕置きを皆様の余興に……安藤先生も、お腹立ちを収め、どうぞお楽しみください」
「うむ……」
 重々しく頷いた安藤だが、双眸には欲望がぎらつきはじめていた。彼もまた、豪奢な腕輪をした、まだ少女めいた女を連れている。このロリコン、と佑紀は心の中で毒づいた。
「なにせ躾が行き届いておりませんので、このとおり反抗的ですが、体は一級品です」
 勝手なことを言いながら、竜傑は部下に目顔で指示する。
 すると、佑紀を取り押さえたままの彼の部下たちは、佑紀の尻たぶを左右に開き、いきなり尻のあわいを客へとさらけ出した。
「やめろ……!」
 さすがに、佑紀の声は裏返ってしまう。そんなところを、赤の他人に見られるのは初めてだった。
 性器を見られるよりも、ずっと羞恥を感じる。
「よせ、放せ!」
 しかし、その反応も、客を喜ばせるだけだった。
「ほお……。これは、綺麗な色をした穴だ」
「よくすぼまっている。確かに処女だな」
 じろじろと、恥ずかしい部分を見回され、佑紀はさすがに全身を紅潮させた。
 こんな屈辱は初めてだ。
「やめろ、ふざけるな!」
 佑紀は暴れるが、竜傑の部下たちに押さえこまれているせいで、すべて無駄なあがきに終わる。おまけに、佑紀が暴れれば暴れるほど、部下の人数は増えていった。やがて総勢六人が、佑紀の体を押さえこむようになった。
 竜傑は髪の毛一筋乱れさせず、欲望の欠片もない眼差しで佑紀を睥睨した。
「皆さんに祝福されながら処女を失うなんて、これは幸せ者です。……おまえも、せいぜい喜んで啼け」

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