夜刃は私を愛してはいないのに……
体内に埋め込まれた淫気を求める草を鎮めるため、従者の夜刃に抱かれるフィルス。愛しい相手との義務的な行為に、心は悲しみに満ちて…
古の血が蘇り、犬へ変身したことでダイラート帝からフィルスを救出した夜刃。しかしフィルスの体内に埋め込まれた淫幽草は男の淫気を求め、その体を蝕んでいた。夜刃は自らの精をフィルスに与えながらも、本心を悟られまいと従者の態度を貫き通し、一方のフィルスも、汚された己は忌むべき存在であると、報われない夜刃への想いをひた隠していた。しかし再び追手は迫り、フィルスは捕えられ、自国民の前であられもない姿を晒すことに。己の片目と片肺で魔道士セレニアと取引をした夜刃は、満身創痍で救出に向かうが――。