借金の形にネオ吉原──通称エロ出島へ売られた直也は、年季が明けるまで陰間として男たちの欲望を受けることに。屈辱の身体検査や宣伝素材としての写真撮影…そんな運命に絶望する直也を買い受けたのは、男遊郭の中でも最下層の新興風俗「船宿」の主人──若いながら着流しにキセル姿がいなせな駒村屋こと高村吟司だった。先輩陰間たちの性的ないじめや好色な客の悪戯…つらい奉公生活での心の拠り所は吟司の存在。しかし陰間同士の乱交を目にした直也は昂りを抑えきれず、吟司に抱かれる想像で自らを慰め、その罪悪感に打ちひしがれる。報われる希望もないまま心に蓋をし、客を取る覚悟を固めようとする直也だが…。
秩序の崩壊した街で活気づくジャパネスク・アンダーグラウンド。そこに咲いた恋の顛末は!?