立ち読みコーナー
目次
258ページ
愛と不純なマネーゲーム   7
あとがき             257
64ページ~
「英司、できないなら俺がやってやろうか?」
笑いを含んだ声が頭の中を駆け巡る。まさかという想いと、─もしほんとうにそうしてもらえたらという不埒な妄想が入り乱れる。
兄の手を借りてオナニーなんてできるか。まかり間違っても血が繋がった兄弟だ。
なのに。
「やれよ」
耳たぶをきりっと強めに噛まれたことで、英司はぼうっと魔法にでもかけられたような心地でそろそろと指をパジャマの中に入れた。
半勃ちになっているのが、下着の上からでもわかる。
「俺に見えるようにしろよ」
「……でも、……」
惑うこころを見抜いたのか、祥一がふっと笑い、手を伸ばしてきてパジャマのズボンをぐっと指で押し下げる。ゴムが勃ちかけた性器に引っかかってしまい、英司はかっと顔を赤らめた。
「いい反応するじゃないか。下着も下げてみろ」
「……っ、ん」
けっして流されているのではない。言い負かされているのでもない。ただ、祥一の低い声にはどうしても抗えないからいやいや従っているだけだ。そう自分に言い聞かせるのだが、それにしてじゃ敏感すぎるのではないだろうか。耳の先までも熱くさせる英司が震える指で下着をずらすと、びくん、と性器が首をもたげてこぼれる。先端まで充血したその色が朝の光を弾いて淫らだ。
唐突に、祥一が先の割れ目にすうっと指を這わせてきた。
「……ぁ……っ!」
くりっと指を回してちいさな孔を引っ張る。そうすると薄い愛蜜が滲み出し、兄の長い指を濡らすのだった。
「やめ、……っ、バカ、なに、して……っ」
「おまえがいつまで経っても乱れないから手伝ってるんだろう。……ふぅん、俺の弟はこういう味か」
濡れた指をぺろっと舐める兄を茫然と見上げた。
いったい、どういうつもりだろう。朝から弟に自慰を強要して、その体液を舐めるなんて。
激高して席を立てればよかったのだが、そんな葛藤もお見通しらしい。祥一は指で輪っかを作って亀頭のくびれをきゅっきゅっと締めつけたり、弱めたりする。くらくらするような快感が身体の深いところからせり上がってきて、祥一は悔しいながらも息を乱れさせた。
「だめ……だ、……兄さん、……っそんな─ふうに、触ったら、……ぁ、……ぁ……っ」
「簡単にイきそうだな。自分でも触ってみろ。見ていてやるから」
「う、……う」
くちびるを噛み、英司はおそるおそるペニスを扱きながら、もう片方の手で陰嚢をぎこちなく揉み込む。その中で作られる精液が熱く沸き立ち、いまにも先端から飛び出しそうだ。
「なるほど、陰嚢を揉むのがおまえの好みか。そこ、誰かに舐めてもらったことがあるか?」
「な、い……」
「失神するほどいいぞ。……ああ、いい匂いがしてきた。濃いな、おまえ」
ふふっと笑う祥一の妖艶な笑みを間近に見ていたら、ますますおかしな気分になりそうだ。
そういう祥一は、下肢を誰かに舐めさせたことがあるのだろうか。
誰に?どこで?どんな体位で?
考えれば考えるほど手の中の肉竿は硬くしこっていく。扱く手もどうしたって卑猥になり、蜜が先から垂れてぐちゅぐちゅと音を響かせた。