立ち読みコーナー
目次
226ページ
勇壮なラブリー~もふもふしてみろ~     7
満月のもふもふパーティー          207
あとがき                  224
104ページ~
「ジャック。反応している」
「……っっ、シロが弄り回したからだろ。ああ、もう……知られたからには隠す必要がなくなった!これをどうにかするから、部屋に戻る。シロが、ここから出て行ってくれてもいいけどっ」
 偉そうに堂々と言えることではないと思うが、知られてしまったからには取り繕っても今さらだ。
 投げやりに言い放ったジャックに、シロはまたしても想定外の行動に出た。
 ふーん? と小さく零したかと思えば、指先を触れさせてきたっ?
「ちょ……と、待て。なにや……って、シロ、触んなって!今の俺は人型なんだから、ソコはシロと同じだ!」
 躊躇う様子もなく触れてきたシロに、狼狽えてジリジリと身体を逃がす。床に座り込んだまま身を退くと、シロは逃げた距離と同じだけ間合いを詰めてきて、ジャックの屹立に指を絡みつかせてきた。
「同じかどうかは、これだけではなんとも言えないな。僕が弄り回したせいなら、責任を取って落ち着かせよう」
「そんな気遣いはいらねーって!ッ……シロ、ゃ……め」
 ビクンと身体を震わせたジャックは、息を詰めて奥歯を噛んだ。そうしなければ、自分がどんな声を零すかわからなくて怖い。
 絡みつかせた指をゆるゆる動かされると、身体だけでなく頭の芯までジン……と痺れる。
 思考は混乱しているのに、身体は素直に快楽だと認識しているようで、ジャックの混乱に拍車がかかる。
 なにが起きてる?
 シロは、どうして躊躇わない?
 これも、未知のものに対する好奇心の延長で……観察されているだけか?
 グルグルと頭の中でいろいろなものが巡り、床に強力な接着剤で貼りつけられたかのように動けなくなった。
「機能も、ただの人間と変わらないんだな」
「っ……ただの人間がどんなのか、知らね……から、答えようがないっ、な」
 淡々と感想を口にするシロに、焦燥感が募る。
 身体、熱い。喉を通る息も、焼けるように熱くて……なにも考えられなくなる。
「そうか。そうだな……」
 表情と声に思案の色を滲ませたシロをぼんやり見ていたジャックは、ふらりと右手を伸ばしてシロの脚のあいだにその手の甲を押しつけた。
「ッ!」
 ビクッと肩を震わせたシロに、自然と唇を綻ばせる。
 硬い感触が、スウェットの生地越しに伝わってきたことで、ほんの少し余裕を取り戻した。
 自分だけが熱を上げているのではないということの、なによりの証拠だ。
「これ、同じ……か?」
 自分と、今のシロの身体に起きている現象は同じなのだろうか。それなら、「ただの人間と変わらない」というシロの言葉も納得できるけれど。
 ジャックの疑問に、シロはかすかに眉を顰めて答えた。
「たぶん……だが」
 ふっと零した息が、熱っぽい?
 いつも、まるで彼が手がけるロボットみたいで……汗をかかないのではないかと疑うほど淡々としているシロが、吐息の温度を上げている。
 もっと、その熱は上がるのだろうか。淡泊そうなシロが息を乱し、快楽に瞳を潤ませたりするのか?
 コクンと喉を鳴らして、擦りつけていた手の甲を離した。
「たぶんじゃなくて、確かめさせろよ」