立ち読みコーナー
目次
290ページ
年上マスターを落とすためのいくつかのマナー ……7
あとがき                  ……286
(94ページ)
「少し萎(な)えちゃいましたね。さすがにオジサンは、冷めるのが早い」
「……っ」
 ひどく馬鹿にされた気がして、待鳥の頬が屈辱で赤くなる。橘川はすっかりとはだけた待鳥の胸を撫で、うっとりしたような吐息をこぼした。
「想像どおりの旨そうな体ですね……、ほどよく張りがなくなって、柔らかくて……」
「き、きみっ、きみは……っ」
「ええ。年上の男が好きなんです。正確に言うなら、年上の男を可愛がるのが。ここはもう開発ずみですか?」
「馬鹿を言うなっ、お、男の胸なんか、いじるな…っ」
「へえ。まだなんだ。じゃあ俺が教えてしまったら、あとで問題になりそうですね。ますます気合いが入ってきました」
「なんの、気合い…、…っ、う…っ」
 体を重ねてきた橘川が、口と指で待鳥の両の胸を愛撫し始めた。同時に萎えかけている待鳥のそこを、少し手荒くこすり立てた。立たせることが目的だとわかる乱暴さだったが、わかっていても待鳥のそこは再び硬くなる。またしても消えかかっていた火を煽(あお)られて、待鳥は妖しく身をよじらせた。ビク、と足が跳ねる。ああ出る、と奥歯を噛みしめたところで、ふと橘川が愛撫の手を止めてしまった。
「…っは……あ……」
「いきたかったですよね、ごめんなさい。でもこのほうが調教しやすいので」
「ち、調教…て、まさか……」
「ああ、心配しないで。俺、Sっ気はありますけどSじゃないですから」
「な、なに、する……」
「開発ですよ。鳥さんの可愛い乳首の」
「よせ、もうよせ…っ」
 橘川は待鳥の体を起こすと、待鳥の背後に回って、ぴたりと抱き寄せた。足を絡ませ待鳥の股(また)を大きく広げる。う、と息を呑(の)んだ待鳥に、低く笑って橘川は言った。
「恥ずかしいですよねぇ。いい大人が、大股開かれて」
「……っ」
「ほら、乳首だってこんなにしこって。すぐにここ、気持ちよくなりますよ」
「ば、馬鹿なことを…っ」
「本当です。手は抜かずに、可愛がるから」
「いいからっ、やめろっ、…うぅっ」
 背中から回された手で乳首をいじられる。つままれ、こねられ、上下左右に弾(はじ)かれる。快感など湧(わ)くはずもなく、それどころかしばらくすると痛みを覚えた。不自由な腕をちぢこめて身をよじると、橘川が小さく笑った。
「痛いですか?」
「もう、やめてくれ……」
「今、これが痛いんですね?」
「だから、やめてくれっ」
「これも痛いでしょう。鳥さんの反応でわかる」
「わかるなら、…」
「だけど、これは……、悦(い)いでしょう」
「……っ」
 指でつままれ、小さくひねられるのは痛い。左右に弾かれるのも痛い。だが、硬くとがったところを指の腹でコリコリと回されたら、背筋に寒けが走り抜けるほど感じてしまった。声さえ抑えたものの、ビクッと揺れた体で橘川にそれを教えてしまった。橘川はじっくりと待鳥の乳首を責めながら、ほら、と低く囁いた。
「鳥さんが恥ずかしげもなく晒(さら)してる、カチカチの勃起から、汁が垂れてきましたよ」
「……っ」
「乳首が感じるようになって、よかったですね。これでセックスの時、楽しみが増える」